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2011年1月21日 (金)

第6戦 ライノ&バード レポート

BLoC2010 第6戦ライノ&バード レポート

1月16日に行われましたBLoC2010第6戦ライノ&バードの模様をレポートいたします。長文ですがこのレポートをお読みになってから決勝動画を観ていただくとより一層コンペの様子が想像できるかと思います。

 当日はレギュラーシリーズ男子44名、レギュラーシリーズ女子19名、エントリーシリーズ22名、計85名の方に参加いただきました。
予選は各クラスともに50分2ラウンド。課題は100°壁4本、150°壁2本、125°壁4本の計10本を5エリアに分けて行われました。セッター陣は 国際ルートセッターの岡野寛をチーフに迎え、尾崎晃一、杉本怜、岩橋由洋、橘薗伸の5名で決勝も含め39課題を設定しました。
 天候は晴天に恵まれましたが、この冬一番の冷え込みとあって、150°の待機スペース(屋外)で順番待ちする選手は寒い思いをしたことと思います。ま た、参加申込が各クラスとも早々に定員を越えてしまったので、参加人数を増やしたところ、順番待ちが長めになってしまい課題へのトライ数が若干少なくなっ てしまいました。最終戦ということで出来る限り参加者を受け入れたいという思いから定員を増やしたのですが、思うようにトライできないストレスを感じた選手もいたのではないかと思います。壁の形状やジムの規模からエリアを増やすことは難しいのですが、予選時間の延長等の対策を考えるべきだったと反省してお ります。

■エントリークラス

予選課題はNo,21〜30(2〜6級)で行われ、予選突破の鍵になる課題はNo,25 (橘薗設定・4級)と10課題中2番目に高グレード設定のNo,28(橘薗設定・3級)を完登することでした。結果、予選通過ラインは9完登以上の成績で、8名の選手で決勝となりました。

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 第一課題は100°の岩橋設定課題(4級)で、下部は大きなホールドでの切り返しや、ハリボテホールドの処理能力が試され、そして多くの選手が落とされ てしまったのがバランシーで遠い終了ホールド取りでした。この第一課題を予選それぞれ1位タイ通過の高田淳志選手と小林由人選手の2名のみが1アテンプトでの完登となりました。
 第二課題は150°壁。杉本設定の強傾斜を掛かりのいいホールドでのクロスムーブ3連続の課題(4級)。決勝課題の中ではこれが一番登りやすかったよう ですが、それでも予選、決勝第一課題と登ってきた選手の体力を奪うには十分な内容で、1アテンプトでの完登が望まれます。結果、押久保孝浩選手、谷川知幸 選手、高田淳志選手、山口柊選手、小林由人選手の5名が完登。この段階で2本を1アテンプトで完登している高田淳志選手と小林由人選手が一気に表彰台の可能性を高めます。
 最終第三課題は125°に設定された尾崎による課題(3級)で、予選で使用された既存ホールドを取り外し、新しい大きなホールドで構成された見栄えする課題となりました。下部は掛かりのよいコルネ状のホールドを繋いでいき、最大の核心部は一見して非常に掛かりが悪いと分かるスローパーホールドからの一手。ここを思い切って処理する精神力と保持力を持っていた(残していた?)山口柊選手唯一人が1アテンプトで完登を決め、会場も大いに盛り上がりました。
 3課題中2本を完登した3名が表彰台となり、ボーナスポイントのアテンプト数という僅差で、3位高田淳志選手、2位山口柊選手、1位小林由人選手となりました。
 エントリークラスの決勝進出者、中でも3位以上の成績だった3名は非常に高い能力をもっており、今後の可能性も強く感じられました。ぜひBLoC2011では一つ上のクラスでの参加を目指してほしいと願います。

■レギュラー女子

 予選課題はNo,11〜20(1〜6級)で行われ、8完登9ボーナス以上の成績で予選通過となりました。予選通過のポイントはNo,14(尾崎設 定2級)、No,15(岡野設定3級)、No,16(岡野設定1級)、No,17(岡野設定4級)の4本中2本以上完登とボーナスを1以上獲得することでした。これらの条件を満たした上位6名が決勝に進出となりました。

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 第一課題は100°壁に設定された岡野課題(3級) でスタートしてすぐのパートでほぼ全員がムーブに悩みながらも、何とか解決していき6人全員が完登。設定ムーブ以外の悪いホールドを使って突破した選手もいてその強さにはかなり驚かされました。中でも1アテンプトで完登した坂井綾音選手と簾内由希選手の2名が一歩リードしました。

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 第二課題は150°壁の橘薗課題(2級)。下部はフック系の技術力と傾斜に負けないパワーが試され、上部垂壁ではスローピーなハリボテからのゴー ル取りが大きな核心として用意されていました。5人が上部に達するもののハリボテの処理に対応できず、ほとんどの選手がゴールに手が出ませんでした。そして強傾斜であるが故に4分間という限られた時間の中で一度上部から落ちてしまうと相当な疲労を抱えてしまい、二度目のトライでは下部を抜けられない選手も目立ちました。惜しかったのは2アテンプトで安定してハリボテに到達した田﨑友衣子選手で、指示されたホールド以外に間違えて足を乗せてしまうミスをしてしまいました。そんな中、唯一人ハリボテの右側壁を上手く使い終了点に到達した簾内由希選手が1アテンプトで完登となり、コンペ慣れした貫禄を見せてくれました。

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 第三課題は125°でエントリー同様ホールドを差し替えて設定された杉本による課題(2級)。一手一手が女子にとっては遠目に設定されていて、厳しい内容でした。誰もボーナス1に到達することが出来ない中、簾内由希選手が持ち前の思い切りのよい登りでボーナス1 を保持すると、会場も最大級の盛り上がりを見せ、そしてそのまま完登してくれました。

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 全課題1アテンプトでの完登という素晴らしい成績で見事レギュラー女子の優勝は簾内由希選手となりました。続く2位は小柄な体格ながら1課題目を1アテンプトで完登した坂井綾音選手、続いて予選決勝と全くの同成績で増澤明子選手と縄重未来選手※が3位タイとなりました。
 レギュラー女子決勝課題は少々厳しめの内容だったと思われましたが、会場からの声援で後押しされた選手達のパフォーマンスは非常に素晴らしいものでした。

※…縄重未来選手の成績を表彰式で4位と間違えて発表していました。訂正してお詫び申し上げます。

■レギュラー男子

 予選課題はNo,1〜10(初段〜4級)で行われました。出場選手のレベルの高さから、初段2本1級2本を含む難度の高い予選となりました。予選 通過ラインはNo,7の125°に設定された尾崎課題(初段)の完登と、No,4の橘薗課題(1級)とNo,6の杉本課題(初段)でボーナス保持以上の8 完登10ボーナスになりました。この予選で大井将生選手が一人全完登という驚きの強さを発揮して1位通過。9完登10ボーナスの湯澤秀行選手、宮原駿選手 が2位タイで続き、合計9名の選手が決勝進出となりました。

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 決勝第一課題は100°に設定された尾崎による豪快なダブルダイノ課題(2級) 。スタートして目の前にあるフットホールドとして用意された外傾ホールドを何とか保持しようと迷いつつも、ほぼ全員が設定通りのダブルダイノを選択。このムーブを成功させるのに手間取った宮原駿選手、杉卓洋選手はアテンプト数がかさんでしまいましたが、9名中8名が完登に成功。特筆すべきはダブルダイノにすぐ気づいて1回で成功させた千本木洋介選手と、唯一人フットホールドを保持して完登した湯澤秀行選手でした。湯澤選手のパフォーマンスに会場からは信じられないといったどよめきが起きました。

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 第二課題は150°の岩橋設定課題(1級/初段)。明確に核心というものがなく、スタートからゴールまでジリジリと苦しいムーブが強いられ、最後 に極小ホールドからの終了点取りと、筋持久力が試される内容となっていました。非常に残念だったのが湯澤秀行選手。2アテンプトで終了点を保持するもわず か1〜2秒のタイムオーバーとなり完登ならず。これをしっかり1アテンプトで完登したのが半田悠太選手、小峰直城選手の2名。2アテンプト完登が宮原駿選 手、千本木洋介選手の2名と、優勝が誰の手に渡るか最後まで分からない、コンペとしては最高の展開となりました。

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 第三課題は決勝開始寸前まで微調整がなされた、岡野渾身の課題(初段)。スタート直後の持ちづらいピンチエッジからハリボテ取りのムーブが非常に厳し く、そこを成功させても中間部の大きいクロスムーブからポジションを切り返す際の体の振られに苦しめられます。そこをこらえて一手出せばボーナス1保持になるのですが、これを成功させたのはわずか4名でした。

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このボーナス1まで1アテンプトで成功させた小峰直城選手、湯澤秀行選手に完登の期待が集まりましたが、上部も決して易しいものではなく、惜しくも両名と も完登に至りませんでした。緊張した空気の中、アイソレーションに残ったオーダー順が後ろの選手数名が「俺たちなら絶対登れるはずだ!」と円陣を組んでお互い完登の誓い合うというBLoCならではと言っていい素晴らしい光景もありました。

 

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そしてもしや0完登か?という岡野の不安を吹き飛ばしてくれたのが、宮原駿選手でした。2アテンプトでボーナス1を保持すると、そのままの勢いでスローパーからリップのホールドを捕らえ、この日一番の大歓声の中、最高のパフォーマンスで全完登を決めてくれました。

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 レギュラー男子優勝は3課題を完登した宮原駿選手。2位は第三課題のボーナス2のアテンプト数という僅差で半田悠太選手、3位千本木洋介選手と続きました。

 表彰式ではご協賛いただきましたメーカー、企業(株式会社キャラバン・ MOUNTAIN EQUIPMENT・ROKX・Clean Climbing Project・eyeCandy・883DESIGN・井上商店・居酒屋大将/順不同)より頂きました賞品をお渡しさせていただきました。ご協賛誠にありがとうございました。

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 そして競技中に大きな事故、怪我もなく無事に終了しただけでなく、各クラスともに非常にレベルの高い予選、決勝となりました。全ての選手、観客の皆様ともに素晴らしく、BLoC2010の最終戦にふさわしい最高の盛り上がりとなりましたことを運営スタッフ一同、心から感謝させていただきます。そし てBLoC2011で再び皆様にお会いできることを楽しみにしています。本当にありがとうございました!

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                                             ライノ&バード 橘薗 伸

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